私は昔から音楽が好きでした。 それで小さいときからエレクトーン(電子オルガン)を習っていました。
また中学や高校のころからシンセサイザーにも興味を持つようになりました。それでそのあとパソコンを始めたわけですが、 当然パソコンでも音楽をやってみたいと思ったわけです。
MIDIプレイヤーはともかくとして、 私たち視覚障碍者が音声で使えるMIDIシーケンスソフトは限られています。 と言うよりほとんどないと言ってもいいでしょう。 なぜならほとんどのMIDIシーケンスソフトは画面に楽譜をマウスで貼り付けていったりするものが多いからです。 マウスは視覚障碍者には使えません。 またグラフィカルな楽譜の画面表示はテキストではないので音声で読み上げさせることは困難です。
そんななかでも使えるソフトが一つだけですがあります。 カモンミュージックから発売されている「レコンポーザ/98」と言うソフトです。同じレコンポーザのなかにもAT用やWindows用などがありますが、これらは音声では使えないようです。
なぜこのソフトが音声で使えるのかと言うと、楽譜を「数値」 で表しているからです。つまりその数字を音声で読み上げさせることで視覚障碍者でも使えると言うわけです。
AT版やWindows版なども一応数値で表しているようですが、表示が単純なテキストではなかったり、カーソルやマウスポインタのある位置、 画面の状態がどうなっているかなど音声でソフトを使うためにはいろいろな情報が必要なのですが、 それらが把握しにくかったりで使えないのです。
他にはフリーウェアで使えるものがありますが、 録音したものの編集や修正ができないものなどあまり高機能でないものしかないので実用的ではありません。またMMLからMIDIに変換すると言うものがあります。 これなら普通のテキストエディタで音符が書けるのでいいのですが、私はMMLが苦手なので使っていません。
エディタやワープロソフトや表計算ソフトなどは使う人が多いので比較的音声で使えるものが各OSに一つぐらいはあるのですが、 MIDIソフトのように趣味関係のソフトは使う人が少ないのでなかなか開発してもらえないんです。 これがちょっと悩みなんです。 どこかの企業、すでにフリーやシェアウェアでMIDIソフトを公開している方、あるいはMIDIプログラミングの得意な方で 「よぉし、俺が音声対応のMIDIシーケンスソフトを開発してやるよ!」 と言う方がおられましたらぜひ御連絡ください。 私がモニターになろうではありませんか!またできるだけ多くの視覚障碍者に使ってもらえるようにメーリングリスト等で宣伝もします!!
ところで、以前にヤマハのQY70を買いました。 これはコンパクトサイズで、 電池で動くので、出先でも音楽が作れると言う機械です。こんなに小さいくせしていい音するんですよ!なんとヤマハのXG規格に対応していてさらにパソコンとも接続できるので、 パソコンの外部MIDI音源としても使用できます。 パソコン通信やインターネットなどのMIDIデータを聞くことだってできるんです。
これは液晶画面を見て操作するので、 一見視覚障碍者には使えないように思えます。 確かに使いやすいとは言えません。しかしカーソルスイッチをなんかい押すとこのモードになるとか、そのきまりを覚えればそこそこ使えたりします。でもやっぱり画面が見えないので決行苦労しますけど。
私のまえに視覚障碍者でこの機械を使っていた人がいるので、 ボランティアの方などにマニュアルを録音してもらったテープをダビングしてもらったり、 いろいろと教えてもらいながら少しずつ使えるようになりました。今のところ内蔵のパターンを組み合わせたり、それにコードを付けたり、 リアルタイムでメロディーを鍵盤から入れるなどと言った機能は使えるようになりました。それ以上は今のところちょっと・・・。
それからこの機械を買うと「QYデータファイラー」 と言うソフトが付属してきます。 これはQY70で作った曲をパソコン上に保存したり、MIDIファイルに変換して他のMIDIシーケンスソフトで再生させたり、 また逆に他のMIDIシーケンサーで作ったデータをQY70に読み込んで聞いたりもできます。 XGに対応してるのでQY70で作った曲を他のXG対応音源で聞いたり、その逆もできます。
対応OSはWindowsとMACなのですが、このソフト視覚障碍者用Windows95画面読み上げソフト「95reader」で使えそうです。ただ曲の選択がマウスでしかできないので、やっぱりちょっと使えない部分もありますね。
視覚障碍者に使えるMIDIシーケンスソフトは少ないですが、 ボタンで操作できるMIDIシーケンサーを使うと言う手もあります。 もちろん液晶が見えないので使うにはそれなりの苦労はありますが………。
ところで最近、また深刻な問題が出てきました。それはタッチパネル式のシンセサイザーが発売されたことです。これは晴眼者にもあまり人気がないようですが、視覚障害者の場合タッチパネルは触って分からないので全く使えません。全く、こういう機械は作らないでほしいものですね!!
私のMIDI環境はこんな感じです。 ちょっと愚痴っぽくなってすいませんでした。