音入れから1ヶ月

昨日で、人工内耳の音を入れてから1ヶ月になりました。

これまででどの程度の聞こえになったのかをレポートしてみたいと思います。

これまでの経過

音入れ直後は、ほとんどの音が「ボコボコ」「ジュージュー」としか聞こえなかったのですが、1週間ほどすると少しずついろんな音の判別ができるようになってきました。

例えば、電車の踏切の音。

音入れ直後は
「ボンボンボンボンボンボンボンボン」
と、柱時計を早くしたような音に聞こえたのですが、今は
「クァーンクァーンクァーンクァーンクァーンクァーンクァーンクァーン」
と、まだ変な音には聞こえますが、少し原音に近づいたような音に聞こえるようになりました。

食器を片付けているときも、最初は「ポコポコ」という音に聞こえましたが、今は「カチャカチャ」と聞こえます。

音入れ1週間で急激に変化した感じで、その後はやや緩やかに変わっているような、変わっていないような…

何日かすると、ああ、変わったかなと気づくような感じです。

全体的な聞こえ方

全体としては、やや低い音がやたらと強調されて聞こえます。

小さいスピーカーの音を聞いていても、低音が強調されて、大型のスピーカーで再生しているように聞こえます。

これで花火を聞いたら迫力ありそう!

高音は、音入れ後はほとんど聞こえなかったのですが、1週間後ぐらいから少しずつ聞こえるようになってきました。

ただ、原音通りには聞こえなくて、少しざらついたような音に聞こえます。

例えば、「ピー」というビープ音が、「ジュー」というような音に聞こえます。

低音と高音はこんな感じですが、中音域が聞き取りにくいようです。

NHKニュースのアナウンサーの声

12月28日の記事でも書きましたが、NHKニュースのアナウンサーの声はほぼ完璧に聞き取れます。

ただし、声は変な声に聞こえます。

なんて表現したらいいのか、
ちょっと口をふさいでしゃべったような、
声も原音より低く、テープの速度を遅くして再生したような、
45回転のレコードを33回転で再生しているような(令和の時代になったのにこのネタふるすぎ?)
そんなような声です。

それから、「さしすせそ」がやたらとざらついたような感じで、ラジオの電波が悪いときのような、ダイヤルが少しずれて周波数が狂っているような声に聞こえます。

あと、FM放送やインターネットラジオのラジコやラジル☆ラジルで再生するとほぼ完璧に聞き取れるのですが、AM放送のように音質が悪いとほとんど聞き取れません。

補聴器の方の道の場合は、再生環境による差がそれほどないのですが、人工内耳だとこの差がやたらと顕著に表れます。

人の声

週末は、所属している団体の勉強会や新年会などに参加しました。

忘年会は手術や入院ですべて棒に振っちゃったので、せめて新年会はと思って。
棒に振るから忘年会!

ここでも感じたのは、人の声によって聞きやすい声と聞きにくい声があるということです。

これもかなり差がはっきり出て、聞き取れる人の声はだいたいわかるのに対し、聞き取れない人の声はなにをしゃべっているのかさっぱり聞き取れません。

あと、これは機械なので仕方がないのでしょうが、遠くの人の声はやはり聞き取れませんね。

ここは、FM補聴器屋ロジャーなどの補聴援助システムを活用するのがよいのかなと思います。

小さな音はよく聞こえる

人工内耳ですごいと思ったのは、小さい音がすごくよく聞こえるということです。

カタログには、25dBの音から拾うと書かれています。

うちにある電磁調理器のボタンを押すと「ピー」と音がなるようなんです。

実は、この調理器、4年間ほど毎日使っていたのに、そんな音がするなんて全然知りませんでした。

補聴器だとまったく聞こえないので気がつかなかったんですね。

ところが、人工内耳だとこの「ピー」という音がはっきりと聞き取れます。

もちろん、今は変な音にしか聞こえなので、「ピー」とは聞こえなくて「ジュー」と聞こえるんですけど(笑)

でも、こういう操作音が聞き取れることは、特に目が見えない自分にとっては大変ありがたいです。

この電磁調理器には音声ガイダンスが付いているのですが、タッチパネルになっていてボタンを押した感覚がわからないんです。

ほとんどの操作はボタンを押してすぐ音声が出るのでそれほど困らないのですが、タイマーをセットするときだけボタンを押してもすぐには音声が出なくて、ボタンを押しても反応しなかったりでタイマー機能はあまり使っていませんでした。

しかし、人工内耳で操作音が聞こえることでボタンが反応したかどうかわかるようになり、これならばタイマー機能も活用できそうだと思いました。

音楽

人工内耳ではもっともハードルが高いといわれる音楽ですが、やはり今の状態では変な音にしか聞こえません。

今日の朝ラジオを聞いていたら、曲名をいわないで、いきなり松田 聖子の「ハートのイアリング」が流れたのですが、人工内耳で聞いていたら何の曲がかかっているのやらさっぱりわかりません。

でも、どこかで聞いたような曲のような気がして、補聴器の耳の方で聞いてみたら、ハートのイアリングだとわかりました。

人工内耳の方の耳で聞くと、リズム楽器のドラムは「ドッチャンドッチャン」と聞こえるのでリズムはわかります。

しかし、それ以外は歌も含めて

「チュルルルルル キュルルルル ピリリリリリーーー」

と聞こえて、ほとんど意味不明です。

音程はまったくわかりません。

やはり、現代会で音楽を聞き取りは無理みたいです。

そういえばこれに関連して、人の声でも、声によってはアクセントがわかる人の声とわからない人の声がいます。

アクセントのわからない人の声は同じ音程でしゃべって要るみたいに聞こえて、なるほど、これがよくいわれるロボットとか宇宙人みたいな声ということになるのかもしれません。

まとめ

ということで、音入れ後1ヶ月の聞こえ方を書いてみました。

まだ音入れを行ったときの状態でマッピング(調整)をしていないし、これが今後どこまで改善されるのかといったところです。

今月末に初めてのマッピングをする予定です。

さて、どうなるか。

こうご期待といったところです。