始めようDTM 第8回MIDIデータを聞いてみよう(3) 九曜 弘次郎 Homepage=http://member.nifty.ne.jp/KUYO/ e-mail:kojiro.kuyo@nifty.ne.jp  みなさんこんにちは。今回もDTM講座をお届けいたします。  まず初めにDTM関連ニュースからお届けします。  ローランドから、待望の新DTM音源 「SC-8850」 が5月25日に発売されまし た。 SC-88proの発売から、約2年半ぶりのローランドからの新DTM音源の発売と なります。  主なスペックは以下のとおりです。 ------------------------------------------------------------------------ ・GMシステム・レベル2に完全対応 ・ファンクション・ボタン×4やロータリー・エンコーダー×1を装備し、各種値 設定時の操作性が向上 ・LCDがグラフィカルタイプに変更になり、従来のLCDよりも表現内容や情報量が 増加している ・USB端子を装備し、MIDI OUT2が追加(SC-88PRoと比較)されたことで、USB接続型 のMIDI I/Fとしても活用できるようになる(従来からのシリアルI/Fも装備され、 USBとは排他使用となっている模様) ・最大同時発音数の増加に伴い4ボイスを使った音色も用意されている ・音色用の内蔵WAVEの容量が、SC-88Proと比較して約6割アップしている模様 ・サイズがハーフラック2Uタイプになるとともに、立体的な成形のボディに変更、 またカラーリングもシルバー・メタリック調に変更となり、従来のSCシリーズ と比較してより「未来的な」感じのするデザインとなっている ┃パート数:64 ┃最大発音数:128音 ┃内蔵音色マップ:4(SC-8850、SC-88Pro、SC-88、SC-55) ┃音色数:1640 ┃ドラムセット:63 ┃エフェクト:リバーブ,コーラス,ディレイ,EQ,EFXエフェクト(SC-88Proと同等) ┃ディスプレイ:160×64ドットグラフィックLCD ┃接続端子:MIDI(IN A、IN B、OUT A、OUT B)、インプット(ピン・ステレオ)、ア ウトプット1(ピン・ステレオ)、アウトプット2(ピン・ステレオ)、 ヘッドホン、コンピュータ端子(シリアルI/F)、USB端子 ┃電源:AC100V(アダプタを使用せずに直結) ┃外形寸法:218(W)、278(D)、88(H)mm、 ┃重量:2.3Kg 価格:\99,800 ------------------------------------------------------------------------  詳しくは http://www.rolandcorp.com/japan/zoomup/index.html をご覧ください。  さてつぎに、先月号でご紹介した、 ヤマハのMU128のバージョンアップ及びさ きほど紹介したSC-8850発売で現在話題の 「GMシステムレベル2対応」に関して 簡単にご紹介します。  音源方式には、メーカーを超えて使用できるGM規格があることは、本コーナー の4回目(1999年2月号)で触れました。 このなかで 「GM規格は音色数も 128と少なく、エフェクターなどの機能も盛り込まれていない」などと記述し たかと思います。今回のGMシステムレベル2では、従来のGM規格(これを「GMシ ステムレベル1」 と呼びます) のこれら欠点を補うために制定された新企画で す。  ではこのGMシステムレベル2の主な仕様を記します。 ------------------------------------------------------------------------   ■GMシステムレベル2の主な仕様■   ◎音源方式:規定しない   ◎同時発音数:32以上   ◎MIDIチャンネル:1〜16チャンネル   ◎リズムチャンネル:10及び11チャンネルは、リズムチャンネルとして使用    できること。ただし初期設定は、10チャンネルをリズムチャンネル、11チ    ャンネルをメロディチャンネルとする。   ◎音色:GMレベル2サウンドセット(256音色)及びパーカッションマップに記    載された全ての音色を内蔵する。GMレベル2のリズムチャンネルにおけるプ    ログラムナンバー1のノート番号35〜81は、GMレベル1のパーカッションマ    ップと同じにすること。   ◎エフェクター:チャンネルごとにセンドレベルを設定できるコーラスとリ    バーブを各1基搭載する。コーラス→リバーブの接続を用意する。 ------------------------------------------------------------------------ となっています。では一つずつGMシステムレベル1と比較しながら、拡張された 機能について見てみましょう。なお私の手元には現在GMシステムレベル1の仕様 書がありません。(;_;)そこで記憶だけで書きますので、 間違ったことを書いて いる可能性があります。 (^^;)お気づきの点などありましたら御報告いただけれ ば幸いです。 ------------------------------------------------------------------------   ◎音源方式:規定しない  これは従来から変更はありません。   ◎同時発音数:32以上  GMシステムレベル1では同時発音数は24音以上となっていましたが、新企画 では「32以上」と明記されています。   ◎MIDIチャンネル:1〜16チャンネル  これも変更はありません。   ◎リズムチャンネル:10及び11チャンネルは、リズムチャンネルとして使用    できること。ただし初期設定は、10チャンネルをリズムチャンネル、11チ    ャンネルをメロディチャンネルとする。  従来は10チャンネル固定となっていましたが、11チャンネルもリズムパー トとして使用できるようになりました。このことによりリズムチャンネルを二つ 使用可能になりました。   ◎音色:GMレベル2サウンドセット(256音色)及びパーカッションマップに記    載された全ての音色を内蔵する。GMレベル2のリズムチャンネルにおけるプ    ログラムナンバー1のノート番号35〜81は、GMレベル1のパーカッションマ    ップと同じにすること。  ノーマル音色数が128から256へと2倍になりました。これで音色のバリ エーションが増えましたね。ドラムパートに関しては、音色数の面からは変更は ないようです。   ◎エフェクター:チャンネルごとにセンドレベルを設定できるコーラスとリ    バーブを各1基搭載する。コーラス→リバーブの接続を用意する。  ようやくGMにもエフェクターの機能が盛り込まれました。私の個人的な話しに なりますが、 初めて購入したDTM音源がエフェクターが搭載されていない音源で 悔しい思いをしたので、この機能が1番うれしかったりします。(笑) ------------------------------------------------------------------------  というわけで簡単ではありますが、 今DTM業界で話題のGMシステムレベル2に ついて紹介させていただきました。GSやXG対応の音源を使用している方でしたら 「なんだ今さらこんな規格…」と思われるかもしれませんね。しかしシンセサイ ザーなど電子楽器全体から見れば、メーカーを超えた規格としてこの規格が制定 されたことはいぎのあることだと思うのですがいかがでしょうか。  さて最後のニュースは、MIDIの祭典「MIDI−WORLD」開催のおし らせです。 ------------------------------------------------------------------------  昨年に引き続き、今年の年に1度のMIDIの祭典「MIDI−WORLD」が開催 されます。実際の(現実の)イベントは7月30日から、8月1日までの期間、東京 ビッグサイトで行われます。正式な名称は「デジタルミュージック・フェア」です。 また、6月1日から8月31日までは、オンライン版も併催されます。こちらの名称 は「バーチャルMIDI−WORLD99」です。現実のイベントの出展社の情報や オンラインだけのイベント、毎週当たるプレゼント企画など、盛りだくさん。URL は http://www.midi-world.com です。 ------------------------------------------------------------------------  東京近辺の方は会場へ、会場に行けない方はインターネットで参加されてみて はいかがでしょうか?  以上今月のDTMニュースでした。  さてまえおきがずいぶん長くなってしまいましたが、今月の本題に入りたいと 思います。  この連載は、MIDI音源を利用したパソコンでの音楽の楽しみ方について書いて きています。しかしMIDI音源をまだお持ちでない方にとっては、つまらないので はないでしょうか。まあそう思ってらっしゃる方はこのコーナー自体読んでおら れないかもしれませんが…。  そこで今回は、MIDI音源をお持ちでない方でもMIDIデータを聞いていただける ようにということで、ソフトウエアシンセサイザーについてご紹介したいと思い ます。  まず初めに、ソフトウエアシンセサイザーの仕組みについて簡単に解説してお きます。普通のMIDI音源はMIDI端子に入ってきた演奏情報を内蔵のコンピュ ータで音に変換しています。一方、ソフトウエアシンセサイザーは、この音に変 換する作業までをパソコンが行います。 ですからソフトだけで音が出せるので す。 もちろん、 音への変換をパソコンがするため、マシンパワーが要求されま す。そのためパソコンによってはうまく演奏が出来ないことがあります。ソフト ウエアシンセサイザーを使用するのに必用なパソコン環境については後述しま す。  ところで、ソフトウエアシンセサイザーのことを「ソフトシンセサイザー」と 略すことがありますが、実はこの省略形の名称はヤマハの登録商標なのです。私 も普段「ソフトシンセサイザー」と呼んでいることが多く、最近になってこの事 実を知りました。省略形には注意しましょう!!  それでは早速、そのソフトウエアシンセサイザーというソフトを紹介していき たいと思います。 ■ DOS用ソフトウエアシンセサイザー「FPD」 ■  通常「ソフトウエアシンセサイザーといえばWindows!!」 という感じなので すが、DOS用のものも一つだけあります。それは「FPD」というソフトです。動作 環境はNEC PC9800シリーズのDOS上です。またPCM音源が搭載されている機種であ れば問題なく動くはずなのですが、搭載されている音源など環境によってはうま く動作しないものもあるようです。 以下FPD付属の 「SETUP.DOC」より引用しま す。 ------------------------------------------------------------------------ # 1.動作環境について   PCMドライバ「FPD」を使用するには、最低次の環境が必要です。    ・以下の音源ボードのうちどれか1つ     「PC-9801-86(86音源)」=9821A・C(除CanBe)に内蔵                   NECより音源ボードとして提供     「CS4231」        =9821X(除Xe)・Np・CanBe内蔵                   メルコよりSRN_F,WSNボードとして提供     「サウンドブラスター16」=クリエイティブメディアより提供                   (※エプソンマルチ内蔵は不可)     (ただし音源なしでも常駐→PCMファイル作成は可能)    ・386以上のCPU(386命令を使っています)    ・MS−DOS    ・プロテクトメモリ   MSーDOSは恐らく全員の方が持っていると思われます。   音源ですが、FPDは現在2種類の音源に対応しています。PC-9801-86ボードは、  一般に「86ボード」と呼ばれているもので、PC9821のA及びCシリーズに搭載  されています。CS4231は、PC9821Np・Nf・Xt・Xa・Xn・Xp・Xs・Xa7・Xa9・Xa10及びCanBe  に搭載されています。どの音源が接続されているかは、FPD常駐時に自動判別しま  すので通常は意識する必要はありません。(一部オプションが変更になります)   また、XfはCS4231を搭載しているはずなのですが、何故か正常動作しません。  原因は解明中ですが、現在の所は対象機種から外しています。また、Np/Nfについ  ては、EMS以外のメモリ管理方法で誤動作を起こす場合があるようです。これも現  在調査中ですので、今しばらくお待ち下さい。Xa7/9/10については動作確認を取っ  ています。   なお、搭載機種は、H7.6.17現在のものです。   CPUですが、一応386でも動きます。しかし、再生レート5〜8kHzが限界で、と  ても「音楽ドライバ」にはならないので、やはりFPDをそこそこ使うには486CPUで動作  速度が25MHzは欲しいところです。   また、多量のPCMデータを格納するバッファが必要なので、プロテクトメモリは  必須と思われます。FPDではプロテクトメモリを以下の手順で確保します。    ・EMSドライバが組み込まれていれば、EMSを使用する。    ・EMSドライバが組み込まれていなければ、XMSを使用する。    ・EMS・XMSドライバともない場合は、直接プロテクトメモリを管理。   EMSドライバが組み込まれた状態で、XMSを使用することは出来ません。また  「直接管理」は、100000h番地より必要な分を使うだけなので、他のソフトとの相性  に注意して下さい。これは主にソフト組み込みを想定した管理方法です。   EMSをアクセスするメモリマネージャについてですが、著者が試してみた所では    ・EMM386    ・VMM386   の2つは一応動きました。    ・MEL386   では、86ボードのBIOS−ROMを切り離さないとうまく動かないようです。で  すので、Melwareをお使いの方は、ディップスイッチなどで86音源のBIOS  −ROMを切り離して使って下さい。ただし、EMM386やVMM386もバージョン等の条件  が変わればサウンドBIOSと相性が悪くなる可能性は十分ありますので、これらを  お使いの方も切り離しておいた方が安全でしょう。切り離しても、現在ではサウンド  BIOSを使ったソフトはほとんどないと思われますので、問題はないと思います。   外付けの86音源の場合、左から2つ目のディップスイッチをオフに、内蔵86音  源の場合はHELPを押しながら電源を入れて画面の指示に従ってサウンドBIOSを外  して下さい。 ------------------------------------------------------------------------  上記のようにお使いの環境により動作が異なるようですので注意してくださ い。また古い9800シリーズには、 PCM音源が内蔵されていない機種が多くありま す。 これらの機種の場合は、別途9801-86ボードを購入する必用があります。お 使いの機種がPCM音源を内蔵しているかどうかにつきましては、 マニュアル等を ご参照ください。  さて、このソフトはフリーウェアで以下から入手することができます。 ------------------------------------------------------------------------ インターネット「FPD」のダウンロードページ http://www.platz.or.jp/~fpd/ ------------------------------------------------------------------------  また古いバージョンのものになりますが、 NiftyのFMIDITOLからも入手できま す。 ------------------------------------------------------------------------ Nifty FMIDITOL/LIB 2 754 HHC03203 95/09/17 289730 414 B FPD Ver2.50 音色データをすでにお持ちの方 753 HHC03203 95/09/17 1183572 1049 B FPD Ver2.50 PCMだけでMIDI音源に迫る音質 ------------------------------------------------------------------------  なお現在のFPDの最新版は2.70ベータ、正式版は2.61となっています。  FPDのソフトウエアパーケージには、 音色データファイルが同梱されたフルパ ッケージ版と、ソフトウエア本体と音色データファイルとが別になった分割ダウ ンロード版があります。 初めてFPDを使用される方はフルパッケージ版をダウン ロードされ、 既にFPDをお使いで音色データファイルをお持ちの場合は分割ダウ ンロード版で、 PCM以外のソフトウエアのみのものをダウンロードされると良い でしょう。  ここではFPD Ver2.61のフルパッケージ版をもとに説明させていただきます。  まずダウンロードした「FPD261ST.LZH」を解糖するわけですが、このファイル はディレクトリ付きで圧縮されていますので、解糖するときはLHAのXパラメータ を使用して、ディレクトリ付きで解糖してください。例えば ------------------------------------------------------------------------ LHA X FPD261ST.LZH ------------------------------------------------------------------------  といった感じです。ここではA:\FPDというディレクトリに解糖したものとしま す。なお分割ダウンロード版で入手された方も、 同じようにFPD関連のファイル をディレクトリ付きで解糖してください。  さて、 いよいよ演奏させてみたいと思いますが、 もう少し準備が費用です。 FPDにはとりあえず演奏させるために 「F.BAT」 というバッチファイルがあり、 A:\FPDに入っていると思います。 このバッチファイルでは、 まずFPDを常駐さ せ、つぎにFVIEW.EXEという演奏用ツールを起動し、それが終了されるとFPDを開 放するという動作をします。 そのなかで使用されているFVIEW.EXEは、カーソル キーで演奏ファイルを指定し演奏させることができるものなのですが、残念なが らVDM100ではこのソフトの利用はできませんでした。  そこでコマンドラインで演奏ファイルの指定が可能な「FPLAY.COM」 を使用す ると便利です。 ではFPLAY.COMを使用できるようにF.BATを書き替えてみましょ う。  オリジナルの「F.BAT」は以下のようになっていると思います。 ------------------------------------------------------------------------ FPD /E /D1 /F1 /S2 /V0 /P200 /M48 /C128 FVIEW FPD /R ------------------------------------------------------------------------  この「F.BAT」をエディタで開き、以下のように書き替えてみてください。 ------------------------------------------------------------------------ @ECHO OFF FPD /E /D1 /F1 /S2 /V0 /P200 /M48 /C128 FPLAY %1 %2 %3 %4 %5 %6 %7 %8 %9 REM FVIEW REM FPD /R ------------------------------------------------------------------------  とりあえずFVIEWとFPDを開放する部分はコメントアウトしておきましたが、削 除しても問題ありません。ちなみにFPDを常駐解除するところをコメントアウ トした理由ですが、FPLAY.COMは演奏ファイルを読み込むとDOSプロンプトに戻っ てきてしまいますので、 バッチファイルでFPDを常駐解除してしまうと演奏がで きなくなるためです。  さてそれでは演奏させてみましょう。FPDにはサンプルとして、 何曲かデータ が収められています。 このファイルは「A:\FPD\MUSICSAM」というディレクトリ にあります。ではそのなかを「DIR」で見てみたいと思います。 ------------------------------------------------------------------------ DIR A:\FPD\MUSICSAM /B[リターン] GOVER.DOC GIN.DOC NEEDA.DOC GOVER.MML GIN.MML NEEDA.MML GOVER.FM GIN.FM NEEDA.FM KNIGHT.DOC KNIGHT.FM KNIGHT.MML BADGIRLS.DOC BADGIRLS.FM BADGIRLS.MML TOAST.DOC TOAST.FM TOAST.MID GROOVE.DOC GROOVE.FM GROOVE.MID LUV.DOC LUV.FM LUV.MID MKR15.DOC MKR15.FM MKR15.MML ------------------------------------------------------------------------  いろいろなファイルがありますね。 このうちFPDで直接演奏可能なファイル は、拡張子が.FMのファイルです。  それではこのなかから「TOAST.FM」を演奏させてみることにしましょう。以下 のようにタイプします。 ------------------------------------------------------------------------ F A:\FPD\MUSICSAM\TOAST.FM[リターン] -w+ ------------------------------------------------------------------------  いかがでしょう。演奏が始まりましたでしょうか?なお演奏させるときの拡張子.FMは省略可能です。  また演奏を止めるときは ------------------------------------------------------------------------ F /S[リターン] ------------------------------------------------------------------------ とします。このときFPDも一緒に動いてしまいますので「FPDは既に常駐しています」などと出ます。これが気になる方は直接FPLAY.COMを使って ------------------------------------------------------------------------ FPLAY /S[リターン] ------------------------------------------------------------------------ とすれば良いでしょう。  さて、演奏のたびにファイルのあるディレクトリを指定するのはめんどうです。もし演奏ファイルのあるディレクトリがいつも決まっている場合は、環境変数FPDにディレクトリを設定しておくと便利です。AUTOEXEC.BATまたはF.BATなどに以下のような1行を追加しておきます。 ------------------------------------------------------------------------ SET FPD=A:\FPD\MUSICSAM ------------------------------------------------------------------------  これでさきほどの「TOAST.FM」を演奏するときには ------------------------------------------------------------------------ F TOAST.FM[リターン] ------------------------------------------------------------------------ とするだけで演奏が始まります。  また;で区切って複数のディレクトリを指定することもできます。例えば ------------------------------------------------------------------------ SET FPD=A:\FPD\MUSICSAM;A:\MIDI ------------------------------------------------------------------------  この例では、A:\FPD\MUSICSAMと、A:\MIDIに演奏ファイルを探しに行きます。  ところでみなさんの環境では正常に演奏されていますでしょうか?実はCPUが 遅い機種では、演奏がとぎれたり、テンポが遅くなりおかしな演奏になったりす るのです。これを解決するには、音質を抑え、 CPUにかかる付加を抑える必用が あります。  さきほどのF.BATのなかに ------------------------------------------------------------------------ FPD /E /D1 /F1 /S2 /V0 /P200 /M48 /C128 ------------------------------------------------------------------------ という行がありました。みておわかりのとおり、ずいぶんたくさんのオプション がついていますね。このオプションを変更することで、音質などをコントロール することができるのです。  それでは上記に書かれているオプションのうち、特に必用だと思われるものを 説明したいと思います。 ------------------------------------------------------------------------ /Sn  再生レートを指定します。nの数字は0〜6の範囲で指定します。 値を小さくす るほど音質はよくなりますが、 CPUにかかる付加は大きくなります。/Sの値と再 生レート及びCPU速度の目安を、FPDのマニュアルより引用しておきます。 ======================================================================== 0 ・・・・・ 44.10kHz (486 66MHz) 1 ・・・・・ 33.08kHz (486 50MHz) 2 ・・・・・ 22.05kHz (486 33MHz) 3 ・・・・・ 16.54kHz (486 25MHz) 4 ・・・・・ 11.03kHz (486 16MHz) 5 ・・・・・ 8.27kHz 6 ・・・・・ 5.52kHz ========================================================================  なお上記のCPU速度はあくまでも目安ですので、 ご自分でいろいろお試しくだ さい。 /Vn  ステレオかモノラルかを切り換えます。nの値が0ならステレオ、 1ならモノラ ルになります。モノラルにすると若干CPUにかかる付加が減ります。 ------------------------------------------------------------------------  私が設定したのはこのぐらいです。このほかにもたくさんオプションがありま すが、詳しくはA:\FPD\MANUAL\SETUP.DOCをご覧ください。  それでは最後に、 アクセスレビュー1999年4月号に付属のMIDIデータを FPDで再生してみましょう。  アクセスレビュー4月号のフロッピーのFSWディレクトリにある 「ARCMSONG.LZH」を適当なディレクトリに解糖します。 ここではA:\MIDIに解糖 するものとします。  すると「ARCMSONG.MID」というファイルが出てきます。しかしこのファイルは そのままではFPDで再生することはできません。そこでFPDで 再生でき る形式に変換する必用があります。FPDにはそれを行うためのプログラム 「MID2FM.EXE」 が付属しています。 さきほどFPDを解糖したディレクトリ 「A:\FPD」に収められています。  それではこれを利用して変換してみましょう。 ------------------------------------------------------------------------ MID2FM A:\MIDI\ARCMSONG.MID[リターン] ------------------------------------------------------------------------  拡張子.MIDは省略できます。これでa:\midiというディレクトリに、 arcmsong.fmというファイルができました。  それでは演奏させてみましょう。 ------------------------------------------------------------------------ F A:\MIDI\ARCMSONG.FM[リターン] ------------------------------------------------------------------------  どうでしょう?演奏されましたでしょうか。このようにして、パソコン通信ネ ットなどにアップロードされているMIDIデータをFPDで再生することができま す。なおMID2FM.EXEで変換元として利用可能な形式はSMFのみです。 他の形式の ファイルをFPDで再生される場合は、 いったんSMFに変換してからFPD形式に再返 還する必用があります。他の形式からSMFに変換する方法につきましては、 本誌 1999年3月号の本コーナーをご覧ください。  では最後にFPDを常駐解除して終わります。 ------------------------------------------------------------------------ FPD /R[リターン] ------------------------------------------------------------------------  このほかにもFPDにはさまざまな機能があります。 特にMMLが書ける方であれ ば、 これでデータ製作をすることも可能です。詳しくは「A:\FPD\MANUAL」に各 種マニュアルがありますので、読んでみてください。 ■ Windowsでのソフトウエアシンセサイざー ■  さてつぎにWindowsでのソフトウエアシンセの利用についてです。Windowsの場 合はソフトウエアシンセはかなり種類があります。 なかにはWindows自信やサウ ンドカードについていることも多いようです。しかしこれらはあまり音質的によ くないものが多いようです。そこでもっと高音質なものをということで、いくつ かのソフトが開発されています。  Windowsのソフトウエアシンセサイザーで私の知っているものをあげますと 「FPDのWindows版」 「WinGroove」 「Roland VSC-88」 「「YAMAHA S-YXG20/50/100」 などがあります。FPDのWindows版と、WinGrooveはシェアウェ アですが、WinGrooveの場合は、作者さんのご厚意により、 視覚障碍者及び関連 団体には特別措置として、シェアウェア料金を無量にしていただけるそうです。  VSC-88はローランドのの製品で、 同社のMIDI音源SC-88相当の機能があるよう です。ホームページ [http://www.rolandcorp.com/japan/lib/download/VSC88V2T.html]から体験版が ダウンロードできます。  S-YXGはヤマハの製品です。先月号でMIDPLUGについてご紹介しましたが、これ の音源つきのものをダウンロードすると、S-YXG20の体験版が付属しています。  またhttp://www.yamaha.co.jp/xg/s-synth/s-synth.htmlから、 ヤマハの各種 ソフトウエアシンセサイザーの体験版がダウンロードできます。  上記のように、 Windowsのソフトウエアシンセにはたくさんの種類がありま す。ここでは視覚障碍者には無量で使わせていただけると言う、大変ありがたい 「WinGroove」 をご紹介したいと思います。なおこの件に関しましては、作者の 中山裕基さん(Nifty Serve SGT02603)まで直接お問い合わせください。  WinGrooveの説明に入るまえ、 ソフトウエアシンセサイザーを利用するための パソコン環境について触れておきます。 まずパソコンにPCM音源が搭載されてい る必用があります。Windowsが動くパソコンで、95readerやVDM100W-PC-TALKERの 音声が聞こえるパソコンでしたらOKです。ということで音声でパソコンを利用さ れている方は、この環境を持っているということで問題ないですね。ただ使用す るソフトウエアシンセサイザーの種類や、音声かソフトの組み合わせによっては 不都合が生じるものもありますのでご注意ください。私の経験では、 VDM100W-PC-TALKERとソフトウエアシンセサイザーは、 あまり相性がよくない印 象があります。  またソフトウエアシンセサイザーは、 かなりのCPUパワーを必用としますの で、CPUは高速なものの法が適しています。目安としましてはPentium166mhz以上 を推奨します。  それではWinGrooveをダウンロードします。所在は以下のとおりです。 ------------------------------------------------------------------------ Nifty FMIDITOL/LIB 6 675 SGT02603 96/06/28 1038680 3706 B WG09D .LZH ソフトウェアMIDI再生WinGroove0.9D ------------------------------------------------------------------------  ダウンロードしたWG09.LZHを適当なホルダに解糖します。ここでは C:\WINGROOVに解糖するものとします。  解糖が終わりましたら、早速セットアップ…と行きたいところなのですが、お 使いのパソコンのサウンドカードが二つのWAVEファイルを同時に再生することが できないものの場合、セットアップを開始するまえに、 C:\WINGROOVのなかにあ る 「TK_EATS.MID」 というファイルを、 本誌のFSWディレクトリ内に集録した 「DTM9906.LZH」を解糖し、出てきたTK_EATS.MIDと差し替えてください。もとの TK_EATS.MIDは、必要に応じて他の場所に移動しておいてください。  なぜこのようなことが必用なのかといいますと、 WinGrooveインストールのさ いに、 このファイルがデモ曲として使用されます。そうしますとWinGrooveによ ってサウンドカードがとられてしまい、このファイルの演奏されている間はスク リーンリーダーの音声が出なくなってしまいます。それを回避するため、デモ曲 を短短いちャイム音のみにするための作業です。  さて上記の作業が終了しましたら、いよいよインストール開始です。 C:\WINGROOVのなかにある「WGSETUP.EXE」を実行してください。  WGSETUP.EXEを実行すると、WinGrooveの説明が表示されます。ここでインスト ールをする場合はTABキーで「はい」を選択してenterキーを押します。  つぎにお使いのマシンのパワー測定を行うかどうか聞いてきます。ソフトウエ アシンセサイザーはかなりのマシンパワーを必用とします。 お使いのパソコン が、どのぐらいの性能かを測定し、音質を決定するための作業です。通常はその まま測定しますので 「WinGrooveインストーラのラジオボタン、パワー測定を行 う」にカーソルを合わせ、TABキーで「OKのプッシュボタン」に持っていきenter キーを押します。すると測定結果が読み上げられると思いますので、 enterキー を押します。  すると「きんこん間今」とチャイムが聞こえます。チャイムが鳴り終わった直 後は音声が出ないことがありますので、 数秒待ってから操作を開始してくださ い。  ここではインストールするディレクトリを尋ねてきます。 さきほどWG09D.LZH を解糖したのと同じディレクトリを指定しても良いですし、別のディレクトリを 指定してもかまいません。ただし別のディレクトリを指定した場合はファイルが 重複しますので、 インストール終了後WG09D.LZHを解糖したディレクトリ内のフ ァイルは全て削除するようにしてください。 ここでは同じC:\WINGROOVにしま す。デフォルトの状態でC:\WINGROOVになっていますので、TABキーを押して「イ ンストール開始のプッシュボタン」に合わせてenterキーを押します。  インストールが開始され、終了すると 「WinGrooveをドライバとして組み込み ますか?」などと聞いてきます。ここでドライバとして組み込むと、先月号でご 紹介したTIMDIやMIDPLUG等の他のMIDIプレイヤーで、 WinGrooveを使用すること ができるようになります。必要に応じて「はい」と「いいえ」 をTABキーで選択 してenterキーを押してください。 ちなみに私は「はい」を選択して、ドライバ として登録しました。  ここでセットアップが終了した旨のメッセージが表示されると思います。さき ほどWinGrooveをドライバとして登録された方は、Windowsを再起動するかどうか を洗濯するモードになっています。そのままenterキーを押すとWindowsが再起動 されます。 ドライバとして登録されなかった方はそのままenterキーを押すと、 セットアッププログラムが終了されます。 EXPLOREが開いていますので、必要な ければ閉じてください。  以上でインストールは終了です。  あとはさきほどインストールのまえに書き替えた「TK_EATS.MID」 のバックア ップを、 WinGrooveをインストールしたディレクトリに書き戻してください。 (デモ曲が必要なければ書き戻す必用はありません。)  さてそれでは、WinGrooveを使用してみましょう。「スタートメニュー」 「プ ログラム」 「WinGroove」と進みます。すると以下のようなメニューが並んでい ると思います。 ------------------------------------------------------------------------ WGプレイヤ WinGrooveセットアップ WinGrooveヘルプ 常に演奏可能にする ------------------------------------------------------------------------  上記のメニューの他に、 三つほど英語で書かれたメニューがあると思います が、 これはそれぞれデモソングの曲名で、ここを選択してenterキーを押すとそ の曲が演奏されます。 WinGrooveの機能を最大限に活用したなかなかすばらしい 演奏ですので、是非おためしください。  ここではWGプレイヤを利用して、既存のMIDIファイルを読み込んで演奏する方 法をご紹介します。  まず「スタートメニュー」「プログラム」「WinGroove」「WGプレイヤ」 で、 WGプレイヤを起動します。すると「ファイルのプッシュボタン」という音声が聞 こえます。ここでenterキーを押せば、ファイル名入力ウィンドウになります。  もしくはWGプレイヤを起動し、 ALTキーを押してプルダウンメニューを開き、 上下カーソルキーで「「開く O」を選択しても同様です。どちらの操作でもかま いませんが、 ファイルを開くまえはTABキーで「ファイルのプッシュボタン」に あわせておく方が、演奏を停止する場合に便利です。  ここで演奏するファイル名を入力します。 例えばWinGroove付属のMIDIファイ ルのなかから「MHBB.MID」を演奏させてまましょう。「C:\WINGROOV\MHBB.MID」 と入力します。  ここでenterキーを押すことで演奏が開始されますが、95readerや VDM100W-PC-TALKERがONになっていると、 WAVEデバイスが競合してしまいエラー になることがありまので、95readerの場合はALT+PAUSEキーで、VDM100Wの場合は CTRL+ALT+F2で音声をOFFにしてから演奏開始される方がいいと思います。  それでは音声をOFFにしてenterキーを押してください。演奏が始まったと思い ます。停止するときは、TABキーを2回押してenterキーを押してください。この 演奏を止める操作は、演奏前にTABキーで「ファイルのプッシュボタン」 にあた っている場合の操作です。演奏中は音声が出ませんので、現在どのようなモード になっているのかを把握しながら操作するようにしてください。  いかがでしょうか。ソフトウエアシンセとはいえ、なかなかクオリティーの高 い音質だと思います。さきほどと同様の操作で、他のMIDIファイルも演奏させて みてください。 なおWGプレイヤーで演奏可能なファイルはSMF形式のファイルの みです。  さて、さきほどのWinGrooveのインストールのときに、 ドライバと登録すれば 他のMIDIプレイヤでWinGrooveによる演奏が可能だと書きましたが、 その方法を ご紹介します。 ここではWindowsのMIDIの設定と、 TMIDIの設定を例に説明しま す。  まずはWindowsの設定から。 ------------------------------------------------------------------------  (1)スタートメニュー」「設定」「コントロールパネル」で、コントロール パネルを開きます。  (2)カーソルキーで「マルチメディア」を選択してenterキーを押します。  (3)CTRL+TABキーで「タブMIDI」と聞こえるところに合わせます。  (4)TABキーで「MIDI出力のツリービュー」に合わせ、 上下カーソルキーで 「WinGroove」を選択します。  (5)TABキーで「OKのプッシュボタン」に移動してenterキーを押します。  (6)コントロールパネルを閉じます。 ------------------------------------------------------------------------  以上の操作で、Windowsのメディアプレイヤーや、先月号でご紹介したMIDPLUG 等で演奏したときに、WinGrooveでの演奏が可能になります。  それではつぎにTMIDIでWinGrooveを使用する設定です。 ------------------------------------------------------------------------  (1)TMIDIを起動します。  (2)ALTキーを押してプルダウンメニューを出し、左右カーソルキーで 「オ プションO」を選択し、さらに上下カーソルキーで「MIDI設定」に合わせてenter キーを押します。  (3)「ポートAのコンポボックス」と言いますので、 上下カーソルキーを押 して「WinGroove」を選択します。  (4)TABキーを押していくと「ポートBのコンポボックス」 「ポートCのコン ポボックス」 …などとなっていますが、WinGrooveのみを使用する場合はここは 「NONE」にしておいてください。  (5)TABキーを数回押して「OKのプッシュボタン」に合わせてenterキーを押 します。  (6)もう1どALTキーを押してプルダウンメニューを開き、 右カーソルキー を1回押して 「演奏モードS」と聞こえるところに合わせ、上下カーソルキーで 「MIDIデバイス切替解除」に合わせ、 ここがチェックされていなければenterキ ーを押してチェックします。 チェックされていればESCキーを数回押してメニュ ーを閉じてください。 ------------------------------------------------------------------------  以上の操作でTMIDIでWinGrooveが使用できる…はずだったのですが、なぜか私 の環境では、上記の操作を行ったとたん、VDM100W-PC-TALKERの音声が、 突然な らなくなってしまいました!!(;_;)そこで95readerを起動してみましたら、 な んとか音声はなりましたが、どうも処理がかなり重くなっています。さらに演奏 操作を行ったところ、95readerがおかしくなってしまいました!!  そこで先日阿多らしく購入した、二つのWAVEファイルが同時に出すことのでき るサウンドカードで試してみたところ、 こちらはなんとか使うことができまし た。  というわけで…、 音声とWinGrooveのWAVE出力がWAVEデバイスを取り合うた め、パソコン環境により使用できるものとできないものがあるようです。  さきほども書きましたが、どうもソフトウエアシンセサイザーは音声との相性 があまりよくないようです。  というわけで、今回はいかがでしたでしょうか?音声との相性問題や、 CPUパ ワーを必用とする、音質的にはハードウェアのMIDI音源ニハカナワナイ (コレハモノニモヨリマスガ)など欠点はありますが、それでも新たに機器を追加することな くMIDIによる音楽が楽しめるという意味で、画期的なものだといえるでしょう。  それでは今回はこれでおしまいにしたいと思います。次回をお楽しみに!!