始めようDTM 第21回 セットアップ小節(3)                             九曜 弘次郎  前々回は音量やエフェクタのバランス、そして前回は音源のリセットコマンド について解説しました。今回は各トラックのそれ以降の部分を解説します。  まずアクセスレビュー2000年5月号に添付の、ヤマハのXG音源用のものか ら見ていきます。  1〜16トラックの、1小節目の14ステップ 目からみてください。以下の ようになっています。 ------------------------------------------------------------------------ 1 14:==Cof,Reso,Att,Rel== 1 14:CONTROL 10 74 64 1 15:CONTROL 10 71 64 1 16:CONTROL 10 73 64 1 17:CONTROL 10 72 64 ------------------------------------------------------------------------  コントロールチェンジがたくさん並んでいますね。71〜74番の数字となっ ています。これらのコントロールチェンジは「サウンドコントロール」といい、 最近の音源では音色をエディットするのに使用されています。  最初の 1 14:==Cof,Reso,Att,Rel== は単なるコメントです。  つぎの行はコントロールチェンジ74番になっています。これは「ブライトネ ス」といい、音の明るさを変化させるパラメータです。64を初期値として、 0側 では暗い音に、127側では明るい音になります。  つぎの行はコントロールチェンジ71番。これは「ハーモニックインテンシテ ィ」といって、音色の倍音を変化させるパラメータとして定義されています。し かし一般的にはレゾナンスが変化するものが多いようです。  つぎの行はコントロールチェンジ73番。これは「アタックタイム」をコント ロールします。アタックタイムというのは音の立ち上がりのことで、鍵盤を押す と音がすぐに出てピークに達するのか、それとも徐々にピークに達するのかを設 定するものです。 パラメータの値は64が初期値で、 127側にすると遅くな り、0側にすると速くなります。  つぎにコントロールチェンジ73番。これは「リリースタイム」を変化させま す。リリースタイムとは、鍵盤を放してから音が消えるまでの時間のことです。 パラメータの値は64が初期値で127側では遅く、0側では速く音が消えるよ うになります。  このように、上記で示したパラメータを変更することで、音色をエディットす ることができますのでお試しください。よく分からない方はとりあえず初期値の ままお使いになっても問題はありませんが、 上記のパラメータを使いこなせる と、さらに音源の機能を活用することができます。  さて、つぎにGSのセットアップ小節での説明と行きたいところなのですが、私 自身GS音源のユーザではありませんので、あまり詳しいことは分かりません!!  そこで、以前に紹介したセットアップ小節のサンプルには、初心者向けのコメ ント入りのものと、コメントがないものが含まれていたものと思います。初めの 方はコメント入りのものをお使いになれば、コメントを参考に各種パラメータの 変更ができます。  このとき、NRPN(M)(ノン・レジスタードパラメータMSB) と、 NRPN(L) (ノ ン・レジスタードパラメータLSB)、 そしてDATA(M) (データエントリMSB)、 DATA(L)(データエントリLSB)といった組み合わせがよく出てきます。このうち 実際に操作するときには、DATA(M)、及びDATA(L)のみのパラメータを変更するこ とによって値の変更を行います。 ■ クオンタイズのかけ方 ■  さてかなりまえのことになりますが、第11回(1999年9月号)で、MIDI キーボードから直接データ入力を行うリアルタイムレコーディングについて取り 上げました。そのさいに後回しにしたクオンタイズについて解説いたします。  クオンタイズとは、リアルタイム演奏でレコーディングをを行ったさいに、演 奏上のタイミングのずれを補正するものです。実際にはSTの値が補正されます。 ただしあまりクオンタイズをかけすぎると、せっかくのリアルタイムでの人間的 な揺れがなくなってしまい、いかにも機械的な演奏になってしまいますので注意 が必要です。  ここでは第11回で解説したリアルタイムレコーディングの手順がすんだもの として話を進めます。  (1) [F3]キーを押し、[上下矢印キー]で、 該当のトラックを選択し[リタ ーン]キーを押してエディット画面に入ってください。 リアルタイムで演奏した データが、数値形式で表示されます。  (2) クオンタイズを開始する行にカーソルを合わせてください。  (3) ここで[Q]のキーを押し、クオンタイズを呼び出します。  (4) [上下矢印]キーで、 クオンタイズをかける最終の小節/ステップに移 動します。あらかじめ小節番号が分かっている場合は、[スペース]キーを押すと 小節番号を聞いてきますので、数字で入力してもかまいません。数字を入力した あとは[リターン]キーを押します。指定した位置にカーソルが移動します。  (5) ここで[リターン]キーを押します。  (6) すると「QUANTIZE RESOLUTION 60」などと表示されます。 ここでク オンタイズを行う最小の音符を指定します。ここでの値はステップ入力を行うと きの数値と同じです。 つまり4部音符でクオンタイズしたいなら480、8部音符 なら240と入力します。(2.5F以前のレコンポーザをお使いの方は、 10分の1 の値です。)  ここで注意しなければならないのは、指定した音符より細かい音符は切り捨て られてしまうと言うことです。つまり8部音符が混ざっている曲を4部音符でク オンタイズしてしまいますと、8部音符の部分は全て4部音符のタイミングに揃 えられてしまい、データがめちゃくちゃになってしまいます。  (7) 指定が終わりましたら[リターン]キーを押します。するとさきほどの 項目に「RATE100」と言う項目が増えます。RATEと言いますのは、 どのぐらいき っちりとクオンタイズするかと言うことです。さきほどあまりクオンタイズをか けすぎると人間味のない演奏になると書きましたが、 例えばRATEを100にすると きっちりとした機械的な演奏になります。逆に80%ぐらいにしますと、 割ともと の演奏の揺れを残した状態でクオンタイズができます。状況に応じて指定してみ てください。  (8) ここで[リターン]キーを押すと一応決定となりますが「RATE」の右側 に「OPTION」という項目があります。ここでは各スペシャルコントローラに対し て、クオンタイズをかけるかかけないかを個別に設定することができます。この OPTION画面を呼び出すには、RATEの入力画面で[右矢印]キーを押します。  (9) すると「PITCH BEND」 「PROGRAM CHANGE」 「PEDAL」 「VOLUME」 「EXPRESSION」 「MODULATION」 「CONTROL CHANGE」 「AFTER TOUCH(CH.)」 「AFTER TOUCH(KEY)」という項目が縦に並んでいて[上下矢印]キーで各項目間の 移動ができます。そして各項目の右側(あとの方)に、 ONとかOFFなどと書かれ ていると思います。この切替は該当の項目に[上下矢印]キーで合わせ、[ROLLUP] キーを押すとONに、 [ROLLDOWN]キーを押すとOFFに切り替わります。ONになって いる項目に対してはクオンタイズがかかり、 OFFになっている項目に対してはク オンタイズはかかりません。  (10)  [リターン]キーを押せば設定完了し、 クオンタイズが実行されま す。  ということで、レコンポーザの使い方を中心に、MIDIに関する用語の解説など をさせていただきました。 ======================================================================== E-MAIL:kojiro.kuyo@nifty.com http://member.nifty.ne.jp/KUYO/ ========================================================================